今月は業界レポートサマリを全業界(小分類158業界)更新しました。業界レポートサマリの掲載内容と、掲載データを使った国内業界の動向分析・比較についてご紹介します。
業界チャネルの"業界"は、総務省告示の日本標準産業分類をもとに、業界を横串で見て発見・気づきが得られるよう製品・サービスカテゴリ × プロセスで分類して、下図のように「建築」「製造及び専門卸・小売」「インフラ」「総合卸・総合小売」「サービス」という5つの大分類と23の中分類に定義を行っています。中分類をさらに158の小分類で分け中分類・小分類の単位で業界分析を行っているものが業界レポートです。
小分類の一覧はこちらからご覧いただけます。
業界レポートサマリは、158の小分類で定義している業界すべてに作成しており、移動中など短時間に業界の情報を掴めるよう小分類レポートの中のコンテンツからバリューチェーンや5F、PESTといったフレームワークを主に抜粋してまとめています。
また、業界レポートサマリ冒頭では「概要」というカタチで業界情報をまとめていますが、各業界を端的に表わしたその内容から私たち運営メンバーの間では「業界ダッシュボード」と呼称しています。
概要(業界ダッシュボード)の「トレンド」では、その業界の市場の成長性を中期および足もとで表し、さらに日銀短観を元に見通しを天気で表しています。
各業界の成長性をY軸に足もと(%)・X軸に中期(%)としてプロットすると、下のグラフのようになります。(グラフ内ドラッグで範囲を選択し、選択部分を拡大表示することができます。)
左上エリアで突出しているのは「業務用ソフトウェア業界」と「インターネット関連サービス業界」です。リーマンショックの影響で企業が投資を減らしたことで中期の成長率は低いものの、経済が持ち直したこととクラウドサービスの台頭によって足もとは拡大しています。働き方改革の気運や人材不足による必要性から見通しも明るい両業界ですが、需要変化や潜在ニーズにいかに早く対応するかが求められるため、継続投資が可能な大手ベンダーによる群雄割拠の様相が色濃くなっているのが特徴です。
左下エリアに位置する「携帯電話・通信回線販売業界」は端末の飽和を受けて、「鉱業業界」は主に鉄鉱石の価格下落による輸入額の減少を受けて、中期・足もとともにマイナス値を示しています。「アパレル通販業界」の値は通信・カタログ販売、訪問販売額の低下に起因しており、EC市場拡大に伴って成長に転じると考えられます。これほどまでにシフトが進んでいることが分かりますが、一方で通信・カタログ販売も顧客志向に基づいた新たな戦略に打って出ており完全なシフトではなくオムニチャネルによる市場全体の拡大が期待できます。
右上エリアに位置する「工作機械・ロボット業界」「航空・航空部品業界」「インターネットメディア業界」はいずれも市場の拡大によって大きく成長しています。「工作機械・ロボット業界」はリーマンショックの影響はあったものの以前の規模まで回復しており、高い技術力による多様な工程への対応が寄与しているようです。低価格品は海外メーカーとの競争が激しくなっているものの市場全体引き続き成長が見込まれています。一方「航空・航空部品業界」は、機体の更新や路線・民間機の需要増により市場が拡大しており、国内メーカーが機体パネルや内装で世界規模のプレゼンスを確立していることから市場の拡大に伴って成長しています。航空機産業の育成は国策としても力を入れられており、今後も成長が見込まれます。
業界レポートサマリを使うと、横串での分析・比較も簡単です。上記の要因分析では、同業界レポートの詳細レポート(本文)を参照しています。
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