数値化できない感性と、確実に裏付けられたデータ。
経営に重要なのは、そのバランス感覚だ。
アジアのエッセンスを取り入れたビストロ料理をコンセプトに、高いクオリティーの料理・サービスで人気を集めている「アジアンビストロDai」。株式会社プレジャーカンパニーが経営する人気店です。経営者の望月大輔氏はあのグローバルダイニングの卒業生でもあり、「ITにはまったく詳しくない」とのことですが、飲食業界におけるITの重要性は早くから認識し、積極的に活用されてきました。
ココがPOINT!
- 1正確な原価率や人件費等の算出により、経営の見える化を実現
- 2種類の多い調味料の原価管理も一目瞭然に
- 3ABC分析を活用したメニュー改定も容易に
地元住民の目線で決めた立地
私はグローバルダイニングで飲食業界の基礎をたたき込まれ、10年近く働いた後に独立しました。
最初に出店したのは、東急田園都市線の「たまプラーザ」。以前、この場所で店長をしていて、立地や客層を熟知していました。出店を決めたのは築40年の古いビルで、店舗面積は17坪ほど。「こんな場所のこんな物件じゃ失敗するに決まっている」「やめたほうがいい」と言われましたが、私は絶対に成功するという確信がありました。というのも、私自身がこの街に暮らしており、住民の一人として「この通りにこんな店があったらいいな」という感覚を持っていたからです。そんなふうにお客様の目線・感覚で考え、ここにアジアンテイストのビストロを出せば、絶対にこの街の人たちが来てくれるという自信をもっていました。
そのもくろみ通り、多少立地に難はあったものの、宣伝はまったくしなくても地元の主婦や若い女性が注目してくださり、口コミで売上が伸びていきました。
出店計画においてマーケティングデータは確かに大切ですが、それよりも重要視すべきは、やはりお客様の感覚です。
お客様と同じ目線で立地や環境を考えることが、成否を大きく左右することにつながるのではないでしょうか。
代表取締役社長
望月大輔 様満を持して都心へ出店
東急田園都市線沿線を中心に住宅街にドミナント出店を続けてきましたが、2016年夏、初めてオフィス街に進出しました。永田町のほど近く、グランドプリンスホテル赤坂の跡地にオープンした複合施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」への出店です。
これまでの住宅街のお店の場合、お客様の95%は地元の方で、ランチの主力は1,300円。土日ともなると売上は倍に伸びます。
それに対して「東京ガーデンテラス紀尾井町」の場合、ビジネス街ということでランチは1,000円以下の勝負。土日は閑散としていますから売上は見込めません。お客様もスピード重視ですし、ランチで3回転させるためにキッチンの作業もスピードが重要視されます。
すべてにおいて今までとは異なる環境で、私にとっても新しいチャレンジ。しかし、ここで成功すればブランド力が一段と高くなりますし、都心部での今後の出店にも弾みがつくでしょう。ぜひとも成功させたいと考えています。
現在の目標は2018年までに20店舗、売上高30億円を達成することです。その後は札幌や仙台といった地方での展開を考えています。
一方で、東急田園都市線を中心とする住宅街に惣菜店、つまり物販を進める計画があります。さらには国内、その先に海外でのラーメン店の展開も視野に入れています。
こうした複合的な事業展開で足腰を強くしていき、近いうち年商100億円、200億円と飛躍していきたいですね。私を育ててくれたグローバルダイニングへの恩返しにもつながると考えています。
経営を“ちゃんとする”ためのツールがIT
インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』は、グローバルダイニング時代から利用していました。
グローバルダイニングでは、私はアルバイトで入社して半年後に正社員、その1年半後にはお台場の人気店の店長になり、その後はエリアマネージャーも務めました。現場での経験、さらには管理職としての立場から、これからの飲食業界にとってITは必要不可欠だと感じていました。
独立を決心した際も、自分の会社でも絶対に『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入して活用していきたいと考えていましたね。私にとってこの受発注システムは、ごく当たり前の存在なのです。
ただ、独立したばかりの頃は当然資金の余裕がありません。たまプラーザで築40年という物件を選んだのも、少ない資金で身の丈に合った経営からスタートしなくてはならなかった、という理由もありました。そのため実際に『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入するには、独立して3年後、6店舗目の炭焼きの店をオープンする年まで待ちました。
それまではどうやっていたかというと、店ごとの発注項目や金額をエクセルに転記して、原価率や人件費などを日次ではじき出していました。言うまでもなく、これはものすごく大変な作業で、一緒に独立した副社長と「早く『BtoBプラットフォーム 受発注』を入れて、ちゃんとしようよ」と話し合っていたものです。つまり、飲食店にとってITとは“ちゃんとする〟ために不可欠なツールであり、『BtoBプラットフォーム 受発注』もその手段として絶対に必要だということです。
エクセルで管理していた当時は、どんなに忙しくても歯を食いしばって数字をはじき出していましたが、そんな風に「気合いを入れてなんとか頑張る」というのは、これからの飲食店には不要でしょう。
数字を見て問題を把握するために
『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入してからというもの、作業がとても楽になったのはもちろんのこと、経営全体がとてもクリアに見えるようになりました。ABC分析を活用したメニュー改定も容易ですし、現場のスタッフは自分たちが発注した食材の原価管理が一目瞭然なので、とてもいい勉強になっていると思います。特にアジア料理は調味料の種類が多いですから、効果的です。
私は出店に際して自分の感覚を重視すべきだと申し上げましたが、経営においても“何か問題がありそうだ〟という感覚は確かに大切です。しかし、数字もやはり重要です。数字をしっかり見て問題を把握し、改善していく。それが経営を“ちゃんとする〟ということで、そのためにITは欠かせません。積極的に使いこなしていくことが絶対に必要だと思います。
飲食業界にとってのIT化というと、どうしても経営改善のための手段という印象があります。現場にとってみれば、自分たちの作業を監視される、チェックされるといったマイナスなイメージもなくはないです。しかし『BtoBプラットフォーム 受発注』を使うことで“現場力”が強化されるのは間違いありません。
例えば、食材の発注です。同じ醤油でも、メーカーやブランドによって味は微妙に違います。そのため同じレシピで同じメニューをお出ししていても、店舗によって微妙に味が違うということがあります。
しかし、購買担当者が「この醤油がいい」と『BtoBプラットフォーム 受発注』に登録すれば、全店でその醤油を発注することになるので、同じ味のメニューをお出しできるというわけです。
原価を下げるためにITを使うという発想だとどうしても安い食材に目がいくようになり、味のばらつきが生じて、結果としてお客様に逃げられることになりかねません。より良い食材を使い、よりお客様に喜んでいただけるメニューを開発するうえでも、『BtoBプラットフォーム 受発注』は強力な武器になると感じています。
統括総料理長様
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BtoBプラットフォーム 受発注
- 受発注・請求書業務を最適化
株式会社プレジャーカンパニー
設立 | : | 2010年2月10日 |
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事業内容 | : | 飲食店の経営、飲食店の運営受託、飲食店のコンサルティング |
店舗数 | : | 11店舗(2016年5月現在) |
代表者 | : | 代表取締役社長 望月 大輔 |
本社所在地 | : | 神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-21-10 4F |
企業サイト | : | http://www.pleasure-company.com/ |
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