株式会社タウ取材日 2018年6月28日

取引先の賛同を得て、請求書の90%を電子化。
月初の作業が激減し、経理業務の平準化が実現しました。

利用サービス 請求書(発行) | エリア 関東地方 | 事業内容 自動車・輸送用機器
株式会社タウ

事故や災害でダメージを受けた車の中には、修理すればまだ乗れるにもかかわらず、不要とされてしまうものもあります。そんな損害車を海外向けに輸出販売する、損害車リユースのパイオニア、株式会社タウ様。月初に集中する経理業務の負担を減らすため、請求書発行作業の電子化に取り組んでおられます。導入から1年足らずで請求書の90%を電子化できた工夫を伺いました。

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請求書発行業務と月次決算業務が月初に集中

― 事業内容を教えてください。

経理部長:弊社の主力事業は損害車リユースです。事故や災害などで損壊した車両を買い取って、世界110ヶ国以上へ輸出販売しています。損害車は国内ではかなりの修理費用がかかり、ディーラーでも下取り価格がつかないどころか、所有者がお金を払って処分するケースも多いのです。しかし海外では、車両が古くなったり少し壊れたりしても、修復して走らせるのが一般的であり、性能の良い日本の車両は人気です。

弊社は、1996年の創業以来、修理すればまだ使える車両を必要な場所で活かす循環型ビジネスモデルに取り組み続けてきました。全国23拠点のネットワークで年間約9万台以上の損害車を買取り、買取台数国内トップとして業界を牽引しています。

― 『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入された経緯はどのようなものですか?

経理部長:当初は、海外からの請求書の受取を電子化することを検討していました。ところが貿易取引は、船積の書類が必要だったり、海外企業にプラットフォームに参加していただく必要があったりと、事情が複雑なため断念しました。そこで、導入の難易度が低い国内向けの請求書発行業務を電子化することにしました。主な取引先は、国内の解体業者や損害保険会社など200社あまりで、そのうちの約90%、180社前後に電子請求書を送っています。

経理部長経理部長

― 発行業務に、どういった課題があったのでしょうか?

経理部長:請求書の発行は、「指定解体」と「物流サービス」の2種類に分かれます。指定解体とは、弊社が仕入れた車両のうち商品としての再生が難しいものを、解体業者に部品や鉄などの素材として売却することで、毎月130~140社ほどと取引があります。物流サービスは、損害車などの輸送がメインです。損害車の輸送は専門性の高い技術を要し、弊社の物流専門部署が毎月およそ45社前後から受注しています。

どちらも月末に締めて月初に発行作業を行うのですが、月次決算の業務とも重なってこの時期だけが非常に忙しくなるため、作業の平準化をしたいと思っていました。

差戻しもWEB上で完結。発行側だけではなく受取側も作業がスピードアップ

― 導入前の発行業務のフローを教えてください。

経理担当者A:物流サービスの請求書は、月初の第2、第3営業日に物流部門がPDFで作成します。それを経理部で印刷し、内容をチェックしてから郵送していました。件数自体は多くないので作業時間は1時間半程度です。

一方、解体は第4、第5営業日に社内システムからダウンロードした請求データを、エクセルに貼り付けて作成していました。1社ごとに請求書と明細のシートが自動生成されるマクロを利用していましたが、すべてを印刷して封詰め、郵送するまでの単純作業にすごく時間がかかるのが課題でした。引取り台数が多いと明細が何枚もあって、他に混ざってしまわないように注意しなければならないし、ミスのないように気を遣いながら毎月2人で4、5時間かけて行っていました。

経理部長:業務負担が軽減できればと、一時期、請求書の発行をアウトソーシングしたこともあります。しかし、請求データを作成したりする手間は変わりませんし、データに不備があった場合のやりとりも時間がかかっていました。請求書の用紙や封筒が足りなくなったので送ってくださいと急に言われることもあったり、あまり費用対効果を感じませんでした。

経理担当者A経理担当者A

― 電子請求書の導入で変化はありましたか?

経理担当者B:手間と作業時間は大きく削減できたと思います。今は、社内システムのデータをCSVファイルに出力し、『BtoBプラットフォーム 請求書』に取り込んだあとは、金額に相違がないかだけ確認して発行しています。特に問題がなければ1人で1時間~1時間半程度の作業時間で、慣れてしまえばさほど難しい作業でもありません。また、物流サービスの請求書発行は、データ作成から発行まで物流部が対応するフローになり、経理での作業はなくなりました。

紙で受け取りたいという取引先はオプション機能の『郵送代行サービス』(※電子請求書を利用されてない取引先へ、自動で発行される紙の請求書)を利用しているので、印刷や郵送などの作業は一切ありません。郵送ミスの心配もありませんし、非常に安心して使えています。

経理担当A:取引先によっては、早く金額が知りたいというご要望があって郵送前にFAXでお知らせしていたのですが、その手間もなくなりました。先方も、より早く受け取れるようになったので喜ばれていると思います。また、請求書の中に誤りがあった場合、これまでは電話などでご連絡を受けたあとに作り直して再び郵送していたのですが、今はシステムの中で差戻しの作業ができます。これも双方にとって便利になった点だと思います。

経理部長:発行業務の効率化で短縮できた時間を、月次決算の業務にまわせるようになり、部署全体で業務を平準化することができました。以前は決算中に残業が発生することもあったのですが、今はありません。

経理担当者B経理担当者B

丁寧な事前案内と社内フォローで電子化率90%を実現

― 導入後、1年足らずで取引の90%以上が電子化しています。工夫されたことはありますか?

経理部長:社会的にペーパーレス化は今後加速するだろうとは思っていましたが、相手があることですので、自分たちだけが電子化、ペーパーレスといっても賛同していただけなければ実現できません。正直、業界としてあまり電子化には積極的ではないイメージを私自身が持っていました。ところが、検討の段階で確認してみると、意外にも多くの取引先がすでに『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入していて、電子化への移行はスムーズでした。新規で電子化をご案内する取引先へは、事前に電話で説明をしてから案内の封書をお送りし、その後「使い方わかりますか?」といったフォローの電話をして導入につなげていきました。

また、社内にはイントラネットを通じて全社に電子化の告知をしました。取引先からの問い合わせが各支店に入ることを想定し、簡単な使い方を支店に伝えるなど、対応に備えたのです。さらに、細かい質問やわからないことは本社の経理から回答するような体制を整えました。

経理担当A:実際に、ログインの方法がわからないといった使い方に関するお問い合わせを支店宛にいただき、本社経理部からお客様に直接回答したことが何回かあります。

経理担当B:「今まで通り、紙の請求書を送ってほしい」というお問い合わせもいただきました。それでも、画面から印刷する方法をお伝えしたところ、電子請求書での受け取りに移行していただけたこともありました。

― 今後の展望をお聞かせください。

経理部長:電子化はより100%に近づけていきたいと思っています。また、当初に断念した貿易取引の電子化も、新たにリリースされた『BtoBプラットフォーム 契約書』を使えば実現できるのではないかと期待しています。システム化は双方にとって便利になるはずですので、さまざまな可能性を検討していきたいと思っています。

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設立1997年6月
事業内容自動車・トラック、自動車パーツ等の買取、販売、輸出
代表代表取締役社長 宮本 明岳
本社所在地埼玉県さいたま市中央区新都心11-2 LAタワー10F
企業サイトhttps://www.tau.co.jp/
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