株式会社ABC取材日 2019年7月25日

請求書の電子化により、決算早期化、損益管理向上に寄与。RPAを導入し、OCRやAIの活用も検討していきます。

利用サービス 請求書(受取) | エリア 中部地方 | 業種 旅行・レジャー
株式会社ABC

静岡県を中心に、東海エリアでパチンコホールを運営する株式会社ABC様。地域密着型ホールとして、地元の方に長年愛されています。毎月約300社から届く請求書の電子データ化を進め、受取状況の可視化を実現させました。業務が効率化し、数字の早期確定への社内意識も高まったそうです。経理部のみなさまに効果を伺いました。

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導入検討を後押しした、取引先の電子データ化推進の声

― 事業概要を教えてください。

経理部 部次長 兼 財務課長 会計課長(以下、部次長):静岡県を中心にした、パチンコホール運営が主軸です。38店舗(2019年7月末現在)を展開し、隣接する愛知、山梨、長野にも出店しています。地域密着型のホールとして、地元のみなさまに長年お楽しみいただいています。

― 『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入されたのはなぜですか?

部次長:請求書の授受や保管など、非効率な点が解決できると考えたからです。金融機関様から電子請求書サービスとして紹介され、ペーパーレス化や業務の可視化などのメリットを感じました。とはいえ、我々の都合だけで導入を推進するのはどうかなとの思いもありました。といいますのも弊社のビジョンとして、すべては「社員の笑顔、お客様の笑顔、お取引先・地域の笑顔のために」との考えがあるからです。

請求書は、遊技機メーカーや事務用品、清掃関係、広告関係といった多岐にわたる取引先約300社から、各部署が受け取っています。取引先にご迷惑をおかけしてはならないし、それぞれの部署の了承を得られなければ、導入も進まないだろうと思いました。

経理部 部次長 兼 財務課長 会計課長経理部 部次長 兼 財務課長
会計課長

経理部 財務課 課長補佐(以下、財務担当):同じタイミングで、大手の遊技機メーカー様から、「請求書を『BtoBプラットフォーム 請求書』で受け取りませんか」とお声がけをいただいたのです。

部次長:インフォマートさんからは、パチンコ業界で積極的に推進したいと聞いておりましたので、各部署とも協議・検討を重ねました。『BtoBプラットフォーム 請求書』の導入が各部署の効率化、全体最適に繋がり、弊社だけでなく取引先、業界のメリットにもなるのなら、やっていこうと話が進みました。弊社の経営層は、かねてよりITの活用に積極的で、税務申告の電子化なども推進しており、社会的要請に応えていくことも企業の使命と考えています。そういった中で、会議資料のペーパーレス化や稟議の電子化、申請のワークフロー化など、自然に電子化が推進されていきました。

遊技機メーカー様各社も、電子化を推進する動きが見えはじめていましたし、パチンコホールが協力することで業界全体を活性化できれば、弊社のビジョンとも合致します。

経理部 財務課 課長補佐経理部 財務課 課長補佐

請求書は今どこでどうなってる? が一目でわかる

― 取引先から受け取る請求書の処理に、どのような課題がありましたか?

財務担当:請求書がどこにあるのかわからないという状態に、課題を感じていました。取引先が月末に締めた請求書は、だいたい月初3、4営業日には各部署の担当者に届きます。部署の上長の承認を経て、6営業日目までには経理部の財務課に提出してもらうフローです。

届いた請求書に不備があれば取引先に修正をお願いするため、修正された請求書が弊社に到着するまで郵送だと数日がかかります。また、上長が不在では承認はそこで止まってしまいます。しかし請求書が、何の原因で遅れ、今どこにあるのか、経理では確認できません。また、あってはならないことですが、途中で紛失してしまうリスクも捨てきれませんでした。

経理部 会計課 課長補佐経理部 会計課 課長補佐

経理部 会計課 課長補佐(以下、会計担当):入力作業も手間と時間がかかっていました。財務課から会計課にまわってきた請求書は、約300社の取引をそれぞれ全38店舗分で仕訳を入力しているので、明細の行も膨大になります。その中で按分計算が必要だったり勘定科目の確認が必要だったりして、毎月だいたい5人がかりで3日間は朝から夕方まで作業していた状態でした。

― 電子請求書の導入で、それらの課題は解決しましたか?

財務担当:現在は、全ての請求書のうち約半分を電子データで受け取っています。データ化によって請求書の受取状況が可視化され、遅延が発生した場合でも早期に把握ができるため、担当者へ請求書の提出を促すなどの対応ができるようになりました。訂正が必要な場合も、取引先が画面上で修正するとすぐに反映されるため、業務スピードがあがりました。

会計担当:電子データで受け取れば入力が不要ですので、作業時間が削減できました。その後の確認業務や部内承認、役員及び各部署の回覧までの期間も短縮されています。

弊社は月末に締めて翌月25日に支払を設けているため、毎月第2週目にはその作業をほぼ完了させなければなりません。電子データ化で、各部署からの提出も、経理部での入力もそれぞれ短縮されたので、助かっています。

電子化の推進により、決算早期化、損益管理の向上が実現された

― 電子データ化による効果を教えてください。

部次長:電子データ化が浸透するにつれ、数字を早期に確定させる意識へ、全社的に変わってきた気がします。弊社では稟議システムの電子化で業務効率が向上し、稟議案件などの重要なものは発生時に計上され、毎月1日には前月の損益を速報で発信し、それをもとに分析・見通しを立てる月次決算体制としています。また、成績のよかった店舗を表彰する社内制度を設けています。各部長・各店長は分析をもとに見込みを立てどういう手立てを打つか、スピーディーな戦略対応を図れるようになっています。

― その他に感じるメリットはありますか?

財務担当:まだ受け取る請求書の半分は紙ですが、保管量は減ってきましたね。書類の保管倉庫は別の場所にあり、監査などで以前の請求書が必要になると、倉庫まで探しに行くので一仕事です。電子データ化されたものなら、画面から検索するだけですぐに出せるので便利です。

会計担当:履歴も残るので、万が一「送った・送らない」が発生しても一目瞭然です。また、紙と大きく違うのがデータは二次利用できるという点ですね。まだ研究段階ですが、最近はRPAを取り入れて会計業務の自動化に取り組んでいます。併せて、書類のOCR化の検討を進めています。

部次長:経理では、取引先と連携して何かするという業務はあまりありません。しかし、システム化は先方の協力なしには進まないプロジェクトです。電子データをどう活用するか、ノウハウを得られたことで、今後もITに対して積極的に取り組んでいけるのではないかと思います。

たとえば、遊技機を入れ替える際は毎回、遊技機メーカー様と売買契約書を取り交わします。『BtoBプラットフォーム 契約書』で契約書も電子データ化すれば、遊技機メーカー様の遊技台の情報などを二次利用できるので、より効率化できそうです。見積りから発注、さらに請求まですべてをシームレスに画面上で完結することができれば、双方かなり効率的になるのではないでしょうか。

― 業界での効率化の取り組みについてお聞かせください。

部次長:弊社が導入した3年前に比べ、業界内でも電子請求書の広がりを感じます。特に遊技機メーカー様はほぼ電子化されてきました。全国400万社といわれる中小企業のうち、インフォマートさんでは約35万社のユーザーがおり、1割弱の状況であり、たとえばサービスを頼む業者は同じだったりするため、電子へ切り替える取引先は徐々に増えていくと思います。2割、3割と切り替えが増えてくれば、あとは自然に電子化の流れは進むでしょう。

法の規制や消費税増税といった社会情勢の中で、業界を疲弊させないよう、お客様に時代に則した娯楽を提供し続けたいと思っています。競争率を高めて市場を盛り上げるには、各社が生産性をあげていくことが必要です。書類の電子化は生産性を向上させるひとつの手段ではないかと思っています。

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創業1953年6月
事業内容パチンコホールの経営
代表者代表取締役社長 冨田 英児
本社所在地静岡県静岡市駿河区八幡5丁目26番21
企業サイトhttps://www.abc-p.jp/
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