株式会社ダイヤモンドソサエティ取材日 2020年1月29日

内部統制の強化で受発注システムを導入。
残業時間も減り、働き方改革につながりました。

利用サービス 受発注(発注) | エリア 近畿地方 | 
事業内容 会員権事業、リゾート施設事業、旅行事業、チャリティー事業
株式会社ダイヤモンドソサエティ

会員制リゾートホテルの先駆けとして全国に12の宿泊施設やゴルフ場を持つ、株式会社ダイヤモンドソサエティ様。内部統制の強化のために受発注システムを導入し、確実な購買管理だけでなく従業員の残業時間も削減。働き方改革につながりました。職場環境を改善してスタッフ同士の社交場にすることが、お客様へのサービス向上になるという中田社長。その意図を伺いました。

ココがPOINT!

歴史ある会員制ホテルが目指す、温かみのある“至高の社交場”

― 近代の会員制リゾートホテルの先駆けと伺いました。

代表取締役社長 中田将道氏(以下、中田社長):1973年にオープンした「ダイヤモンド軽井沢ホテル」にはじまり、現在は、国内12ヶ所のホテルとゴルフ場1施設を運営しています。煌びやかなハイクラススタイルというより、「おかえりなさい」とお出迎えするような、温もりのあるおもてなしを心がけてきました。

個人と法人をあわせ、2万人近いお客様に、別荘のようなプライベート空間でおくつろぎいただいています。

社名どおりの、“至高の社交場”が弊社の企業理念です。長く会員制を貫いていますので、ホテル滞在を通じた会員様同士の交流もうまれています。また、ありがたいことに弊社スタッフに会うのを楽しみにお越しになるお客様もいらっしゃいます。そうしたつながりに加え、昨今はスタッフ同士の交流も深まる場であるべきだろうと考えるようになりました。社会的な働き方改革の波もあり、特にスタッフ間の関係性を重視した職場環境の改善を意識しています。

代表取締役社長 中田 将道 様代表取締役社長 中田 将道 様

ホテル外観

― スタッフの関係性改善のために、心がけていることはありますか?

ダイヤモンド滋賀料理長(以下、料理長):同じ空間で同じ仕事をする以上、スタッフ同士のコミュニケーションを図らなければ、お客様に喜びをご提供できません。上に立つものは「自分たちがそうだったから」という意識を変えるのが肝心だと思っています。

我々は、料理の世界に入った以上はどんな指示でも修行と考えた世代です。サービス残業という概念すらなく、仕事とプライベートに境界もありませんでした。しかし、同じことを今の20代、30代のスタッフに求めるのは時代錯誤です。彼らはスキルアップには意欲的ですが、関係ない、ムダだと感じることはやりたがりません。オンとオフのメリハリをつけて、やりがいのある仕事と充実したプライベートを求める世代です。

ダイヤモンド滋賀 料理長ダイヤモンド滋賀 料理長

その価値観を理解し、彼らが気兼ねなく休めるよう、私も公休だけでなく有給を率先して使うようにしています。私がしっかり休めているという姿を見せないと、誰も料理長を目指さないでしょう。時間の使い方も考え、任せられる仕事は意識的に任せるようにもしています。そうすることで、責任ある仕事にやりがいも感じてもらえます。何より心がけているのは、置かれている状況すべてにおいて、まず自分自身が楽しむことです。自分が楽しくないのに部下が楽しいはずがありません。

― 改革で、特に力を入れている点を教えてください。

中田社長:適正な人件費率はホテル全体のテーマです。単純な効率化だけではなく、スタッフの意識の持ちようもあわせて利益体質を目指しています。加えて、レストラン部門はホテル業の中でも一番残業が多く高いコストを占めますので、食材が適正な原価率を保っているかのチェックも欠かせません。原価管理は日々、食材の発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』を使ってしています。

過去に起きた不祥事をきっかけに内部統制と購買管理を強化

― 発注をシステム化したのはどういった理由からですか?

中田社長:大きな目的は、内部統制による食材の購買管理のためです。その背景には、恥ずかしながら過去に発覚した、従業員の不正があります。仕入れ業者と癒着しリベートを受け取っていたのです。内部統制の導入後、全国のホテルで複数の料理長が去っていきました。

ホテル食事

料理長:私が着任したのは、その数年後です。ただ、以前在籍していた別の大手ホテルでも、まったく同様の出来事がありました。不正は起こす人間のモラルの問題もありますが、そもそもできない、発生しにくい体制づくりが必要でしょう。とはいえ、そのためには仕入れ業者を選定する段階から、食材の購買、在庫管理まですべて記録に残し監視しなければなりません。これらをアナログで実施するのは相当な手間がかかります。結局おざなりになって不正につながってしまう、という構造が、どこにでもありうるのだと思います。

ホテル事業部係長:実際、不正発覚後は厳格なルールを設けて、エクセルで作ったフォーマットに日々の仕入れ品をひとつずつ打ち込むようにしました。しかし作業に時間がかかるうえ、膨大な量の書類を確認しないとチェック機能は果たせません。管理体制を強化しても、手作業では防止対策として限界があります。システム化は必須だと痛感しました。

― システム導入の効果はいかがですか?

中田社長:受発注システムなら取引の履歴がすべて残り、改ざんもできません。これまでアナログで行っていた作業が一気通貫で完了し、どの業者とどんな取引をしているのか、画面上の履歴から一目で確認できます。購買の状況が目標値から大きく逸脱していないか、毎日チェックをしています。システム管理の必要性と同時に手作業で行う大変さもよくわかったので、本当に便利だと感じます。

ホテル事業部係長:すべての取引が可視化され、誰がいつ見ても状態を把握できるのがありがたいですね。全国の現場の様子が、管理部門でも正確かつ詳細にわかります。たとえば、原価が月半ばで適正値を超えてしまう場合、紙の伝票だと本来当月支払いするものを来月に回して帳尻をあわせる、といったことができてしまいます。『BtoBプラットフォーム 受発注』では、それはできないので、コストやコンプライアンスに対する現場の意識もすごく変わったと思います。

ホテル事業部係長ホテル事業部係長

料理長:パソコンやスマホに馴染んでいる若いスタッフたちは、紙に手書きするよりも圧倒的に作業が早いですね。

システムの基本的な使い方を教えたら、私以上に、「ここにこんな便利機能がありますよ」と、あっという間に使いこなしています。発注頻度の高い業者順に並べるなど、より使いやすいように、どんどん工夫しながらやってくれています。

発注作業は必要とはいえ、できるだけ時間をとられたくないものです。料理人は調理がしたくてこの仕事を選んでいるわけですから。発注でムダな時間を割かれず、そのぶん料理人本来の仕事に携われるのは、ありがたいですね。

スタッフが長く働ける職場環境の整備

― 今後の展望をお聞かせください。

中田社長:先ほど申し上げた、スタッフ同士の関係性を高める意味での“至高の社交場”を、とりわけ磨いていきます。それがひいてはお客様にとっての付加価値を高めることにもつながると考えるからです。人手不足は業界全体の課題となっており、採用活動には時間もコストもかかります。まずは、一緒に働いてくれているスタッフが、より働きやすく、やりがいを感じて長く働ける職場環境の整備を進めます。今いるスタッフが「すごくいい職場だから、ぜひおいでよ」と、自信と誇りをもって新たな人材を呼びこんでくれたら嬉しいですね。我々なりの働き方改革を進めていけば、それこそダイヤモンドのように何にも変えがたい、社交の場にできるのではないかと考えています。

ホテル内装

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株式会社ダイヤモンドソサエティ

設立2001年8月
事業内容会員制リゾートホテルの運営・管理・旅行業
代表者代表取締役社長 中田 将道
本社所在地大阪府大阪市中央区粉川町2-9
企業サイトhttps://www.diamond-s.co.jp/
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